好きなものをつらつらと書き綴っています。
書人:蓮野 藍
三国恋戦記の孟徳に夢中。
ボカロ(心響)SSも始めました。
版権でもいけるSS完成(笑)
本当はオリジナルとして作ったつもりなのですが、時代設定が江戸時代後期、つまり幕末あたりなので、ある意味版権でもいける作品です。
もしどの版権なのか、決めるとしたら……はくおうきかな~。
登場人物は、わかる人にはわかる。
わからなかったらわからない人です^^
今回は少し長めです!
本当はオリジナルとして作ったつもりなのですが、時代設定が江戸時代後期、つまり幕末あたりなので、ある意味版権でもいける作品です。
もしどの版権なのか、決めるとしたら……はくおうきかな~。
登場人物は、わかる人にはわかる。
わからなかったらわからない人です^^
今回は少し長めです!
庭に出る軒先で一人の女性が座り、
その女性の膝上にちょこんと座る小さな子供がいる。
少年は目の前には漢字ばかり書かれてある書物。
女性が年離れて生まれた小さな弟のために聞かせようと、唐の漢詩の読み下しをゆっくり読み聞かせる。
彼はそんな姉の優しい声が大好きで、地につかない足をブラブラさせながら耳を傾けていた。
「ねえ、ねえさま、これはどういうことをいっているの?」
「どういう意味だと思う?」
振り返り、肩越しに見えたのは姉の顎と緩く弧を描いた口元。
「わからないよ」 だから教えて?とねだってみるものの、彼女はやんわりと小さな弟にいい聞かせた。
「宗次郎、いつまでも『わからない』『教えて』ではいけないわ。いつか自分で答えを見つけなければならない時がくるかもしれないんだもの」
「え~」
「『え~』ではないわ。……そんなに頬を膨らましても駄目」
「ぶぅ……」
「宗次郎?」
「……はーい」
しぶしぶといった様子で返事をして前を向く宗次郎。
大好きな姉に逆らえない。否、怒った姉は半端なく怖く、それこそ鬼のようなのだ。
触らぬ神に祟りなし。
このような事をこう言うのだが、この時の宗次郎は勿論知らない。
閑話休題。
心を改めて文面を見つめるものの、馴染みある平仮名は一切なく、漢字ばかりが羅列してあったり、文字の左下や右下に片仮名らしきものや記号が書いてある。
どれもみたことがない文字ばかりかと思えば、以前みたことがある文字もあるようなないような。
姉が最初に漢詩を読みくだしをしてくれていたのは確かだが、声はちゃんと聴いていても内容は右から左に流していたのがいけなかった。
さっぱりわからない。
考えようとしたら、なおわからなくなってくる。
「ねえさま」
「うん?」
「あのね、もう一回読んで欲しいな」
そうしたら少しはわかる気がする。
「あと一回でいいの?」
そう女性が問うのは、今までの漢詩の読み聞かせで何回も何回も「もう一回」と強請ってくるからだ。
年離れて生まれてきた、末の弟を自分も、上の姉も愛しているため、弟のお願いには弱い。
「う~ん……じゃあ沢山聞かせて欲しいな?」
「仕方ないわね」
「やった!」
にぱっと笑い、両腕を上げて喜びを表現する。そして、ぎゅぅうっっと力いっぱい姉に抱きついた。
「ねえさま、だいすき!!」
何も知らない無垢であどけない、太陽のように明るい笑みを向けられ、誰がいやな顔など出来よう。
「ねえ様も宗次郎が大好きよ!」
弟に負けず劣らずと女性がぎゅぅっと抱き締める。それがまた嬉しいのか、宗次郎は歓喜の声をあげて笑っていた。
桜が終わり、葉桜から新緑の季節になろうとしている時の話。
空は青く、日は暖かく辺りを照らしていた。
終わり。
この話はとある小説の一節から話を膨らませたものです。
「触らぬ神に祟りなし」という言葉が出てきましたが、本当は最初「触らぬ鬼に祟りなし」だと思ってました^^;
確認で調べておいてよかった~。
その女性の膝上にちょこんと座る小さな子供がいる。
少年は目の前には漢字ばかり書かれてある書物。
女性が年離れて生まれた小さな弟のために聞かせようと、唐の漢詩の読み下しをゆっくり読み聞かせる。
彼はそんな姉の優しい声が大好きで、地につかない足をブラブラさせながら耳を傾けていた。
「ねえ、ねえさま、これはどういうことをいっているの?」
「どういう意味だと思う?」
振り返り、肩越しに見えたのは姉の顎と緩く弧を描いた口元。
「わからないよ」 だから教えて?とねだってみるものの、彼女はやんわりと小さな弟にいい聞かせた。
「宗次郎、いつまでも『わからない』『教えて』ではいけないわ。いつか自分で答えを見つけなければならない時がくるかもしれないんだもの」
「え~」
「『え~』ではないわ。……そんなに頬を膨らましても駄目」
「ぶぅ……」
「宗次郎?」
「……はーい」
しぶしぶといった様子で返事をして前を向く宗次郎。
大好きな姉に逆らえない。否、怒った姉は半端なく怖く、それこそ鬼のようなのだ。
触らぬ神に祟りなし。
このような事をこう言うのだが、この時の宗次郎は勿論知らない。
閑話休題。
心を改めて文面を見つめるものの、馴染みある平仮名は一切なく、漢字ばかりが羅列してあったり、文字の左下や右下に片仮名らしきものや記号が書いてある。
どれもみたことがない文字ばかりかと思えば、以前みたことがある文字もあるようなないような。
姉が最初に漢詩を読みくだしをしてくれていたのは確かだが、声はちゃんと聴いていても内容は右から左に流していたのがいけなかった。
さっぱりわからない。
考えようとしたら、なおわからなくなってくる。
「ねえさま」
「うん?」
「あのね、もう一回読んで欲しいな」
そうしたら少しはわかる気がする。
「あと一回でいいの?」
そう女性が問うのは、今までの漢詩の読み聞かせで何回も何回も「もう一回」と強請ってくるからだ。
年離れて生まれてきた、末の弟を自分も、上の姉も愛しているため、弟のお願いには弱い。
「う~ん……じゃあ沢山聞かせて欲しいな?」
「仕方ないわね」
「やった!」
にぱっと笑い、両腕を上げて喜びを表現する。そして、ぎゅぅうっっと力いっぱい姉に抱きついた。
「ねえさま、だいすき!!」
何も知らない無垢であどけない、太陽のように明るい笑みを向けられ、誰がいやな顔など出来よう。
「ねえ様も宗次郎が大好きよ!」
弟に負けず劣らずと女性がぎゅぅっと抱き締める。それがまた嬉しいのか、宗次郎は歓喜の声をあげて笑っていた。
桜が終わり、葉桜から新緑の季節になろうとしている時の話。
空は青く、日は暖かく辺りを照らしていた。
終わり。
この話はとある小説の一節から話を膨らませたものです。
「触らぬ神に祟りなし」という言葉が出てきましたが、本当は最初「触らぬ鬼に祟りなし」だと思ってました^^;
確認で調べておいてよかった~。
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