好きなものをつらつらと書き綴っています。
書人:蓮野 藍
三国恋戦記の孟徳に夢中。
ボカロ(心響)SSも始めました。
三が日が終わり、初詣は参拝し終えた。
一口女性は口に運んだものを食す。
お正月から日常に戻るそんなある日である今日。
年変わって七日目。
七草粥を食べる日。
唐の時代からある食べ物で、無病息災を祈るものでもあった。
「お前、食べすぎ」
どこか、少なくとも近くから声がする。
呆れた声だとすぐわかる。
「普通」
女性はもう一口、静かにレンゲで粥をすくい口へ運ぶ。
濃くない味付けが身体に優しく、あたたかい。
「まあ、普通の量だけどな」
おせちで疲れた胃腸を労わる七草粥に、プラス餅はないだろう。
という心地に彼はなる。
「いつも通り」
彼女は答えた。
レンゲから箸に変え、別皿に盛られている白い餅に腕を伸ばす。
きな粉餅でも海苔餅でもなく、とある焼肉チェーン店のように黒蜜を垂らし、きな粉をまぶしている。
隣で呆れた声を出した男性が苦手とする甘い食べ物。
チラリと横に顔ごと向けるとジッとこちらをみていた。胸の高鳴りは起きない。
見慣れすぎている視線。
「食べる?」
甘いけど。
男性は甘いも 食べ物が苦手という彼女の印象はここからきている。
「要らない。程々にしとけよ?」
「分かってる。元からお餅はカロリー高いからね」
「そういうこと」
鳶色の瞳が軽く頷いた。
彼はの目の前には空の器とレンゲがある。餅が置かれた別皿はない。
彼女は視線と顔を元に戻し、餅を食べる。
テレビの音がない静かなひと時。
ただ一言。
「おいしい」
彼女は呟いた。
終わり
彼と彼女は兄妹関係です。
七草粥記念。
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