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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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四月馬鹿な日ですが、湛増の誕生日だったりします(←いま一発で漢字変換出来たのでびっくりした!!マイパソナイス!!)


その誕生日を記念して小説を載せます><
なのですが、長いので分割で更新していこうと思います。



拍手[1回]


「今日は無礼講よぉ。おい倅、さっさとこっちに来て飲め」
「……何なんだよこれ」
男は目の前にある光景に頭が痛くなってくる気がした。

「何って宴よ宴!今日は特別な日だからな」
「だからってなんでこんな朝から飲まなきゃ行けねぇんだよ!」
既に顔がほんのり赤い先代の熊野頭領・湛快をみると、今はまだ大丈夫だが、酒にのまれ始めるのは時間の問題だとわかる。
朝から飲んでいては翌日二日酔い必須。

「まあまあヒノエ、兄がこう言っているんですから」
「なんであんたが此処にいるんだよ」このエセ薬師、と言わなくても顔がそういっているのがまるわかりで、近寄ってきた男は甥っ子の相変わらずの様子に薄く笑みをこぼす。
「何笑ってんだよ」
「いえ。僕は兄に呼び出されたんですよ。いきなり『急を要するから早く来い』とだけ書かれた文が届いたので、何事かと昼夜問わず馬を走らせて来てみたら……」
こうなってました。
「じゃあ、全部親父の企みかよ」
ズキズキ痛み始めるコメカミをおさえ、赤毛の少年はひきつる頬をなんとかしようとするものの、それ程成果は得られない。
「確かに兄のおかげで僕は寝不足ですが、それを帳消しにしてもいいほどの収穫がありましたから」
「あんたが帳消しにしてもいいっていうくらいの収穫?」
転んだらただでは絶対に起きない叔父に言わせるほどのものとは何か。
問おうと口を開いたところで遠くからがなり声が。
「おい弁慶!そこで立ち話してないでさっさと連れて来い!」
「……だそうですから行きましょうか」
「なんで朝から飲まなきゃいけないんだよ。これから仕事だっての」
この場を立ち去ろうとする現頭領の腕を軽く弁慶は掴んだ。一癖ありそうな笑みつきで。
「あぁ、兄が元頭領としての権力を使ってあなたの仕事の書類全て、烏が熊野の全土に散り、今現在も隠し持っていますよ」
「何だって……?」
片眉をピクンと動かし、ここでようやく叔父の顔を正面からみた。
「あなたに仕事をさせないように先手を打ったという話ですね」
「だとしたら、今からオレの命で持って来させりゃいいだけの話じゃないか」
「それは残念ながら無理だと思います」
「……理由を聞こうか」
「理由なんて簡単ですよ」

そこで彼はこれまた癖ある笑みでのたまった。


「今回のこの話、彼女も乗ってますからね」


続く
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