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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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昨日のヒノ誕の記念小説の続きです。
これまた長いです。
しかもまだ終わりません^^;


拍手いただきました。
有難うございます!!><


拍手[1回]


今朝はいつも通り、笑顔で送り出してくれた。
「今日は驚く事が起きるだろうから、楽しみにしててね?」
「へえ、姫君自らオレを驚かせてくれるのかい?」
「それは内緒!言ったら面白くないもの」
クスクスと笑う少女がとても愛らしかった。
「じゃあ驚かないように警戒しておかないとね」
「本当に驚かずにいられる?」
少女につられ、男も淡く笑った。
「さあ。その時がこないとわからないな」
「じゃあ驚かせるように頑張るね」
「期待してるよ。さて、これから出かけるけれど気をつけるんだよ?」
「私は元とはいえ、龍神の神子だもの。大丈夫」
「確かに修羅のような戦場をくぐり抜けてきた神子様だけど、オレの妻だってことも忘れないで欲しいな」
「……うん」
妻の言葉にほんのり頬を染める妻の反応が初々しい。愛妻の頬に軽く口付け、「いってくる」と男はその場をあとにしたのだ。


出際にみた彼女の愛しい顔を思い出しながら、彼は杯に満たされた酒をクイッとあおった。
「へぇ、姫君の世界にはその人その人の生まれた日を祝う習慣がある、と」
「そう兄から聞きましたよ」
『だから、年に一回しかない誕生日を皆で祝ってあげたいんです』そう言った現熊野別当の妻たる少女の言葉を拒否する理由など湛快には一つもない。
ドンチャン騒ぎ大好き。お酒大好き。新しいものなら尚大好きという彼は二も三もなく快諾し、ここに湛快&現熊野別当嫁というタッグがこうして組まれたのだった。
「成る程ね」
(父親はともかく)妻に自分が生まれた日を祝ってもらえるのは嬉しい。どこか体がこそばゆく、自然と笑みがもれる。
のだが、自分の知らないところで自分の最大の目標であり、最大の壁である父親(本人の前では口が裂けても言いたくないが)と手を組まれていたのは、
正直嬉しくない。
再び酒で満たされた杯を再度飲み干した。
喉が焼けるように熱くなる。もう、これで何杯目だろうか。
わからない。
「ヒノエ、あなたはこの後彼女に会うのですから、少しは飲むのを控えておきなさい」
「言われなくてもわかってるさ」
目の前に広がるのは文字通り騒ぐ元熊野別当である父と、乗せられる熊野の重鎮達。
ここではない熊野各地の神社でも熊野水軍達や民が今日は宴で騒いでいるらしい。日々頑張っている民にこうして楽しんでもらえるのならばそれでいい。
源平の戦時代がようやく終わり、ようやく平穏が訪れ始めたところだ。
まあ、戦あるないに関わらず別当の仕事は山積みなのは代わりないのだが……。


「そういえば倅よ」
一旦気が済んだのか、こっちに来た湛快が彼の隣に座ってきた。
「そろそろ我等の宝がこっちに来るはずだ。お前、ちょっと迎えに行ってこい」
ちょっとそこまでお使いに行って来い、という軽い口調。
確かに軽い内容なのだが、彼がいう『宝』とはこの世の平穏をもたらした異国からの使者しかいない。
だからこそ、男は片眉をあげた。

「姫君が?」


そんな話、聞いていない。



続きます。ええ。
続きますとも。
ちゃんと終わるか不安になってきました^^;

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