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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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昨日は更新できませんでしたが、ヒノ誕記念の小説その3です!

そして拍手いただきました!!

本当に有難うございます><




拍手[1回]


基本的に身分ある家に嫁した女性が人前に出てくることあまりはない。
邸の奥にいるのが普通。
だが、妻たる女性は遙かなる地より舞い降りた天乙女。
天の乙女といっても幾つもの戦場をくぐり抜けてきた二十歳も満たない少女。
白き龍に愛でられし子は戦の先頭に立って剣を振るうも、平素は清らかで愛らしい持ち主で、この世の混沌を終わらせた。そして天へ還らず羽衣を地上の男に渡したのだった。
だから、愛している彼女とは離れ離れにはならない。
そう信じていた。



ある話。
地上に降りた女性。老夫婦に育てられた子はそれはそれは美しく育ち、あまたの求婚者が現れる。ついには帝まで現れて求婚するものの、天の羽衣を着た天女は遣いの者を伴って天上へと帰還。
ちょっと教養ある者ならば誰でも知っている架空の物語。
空想のものが現実のものとなるかもしれない。
それが男の心をはやし立てていた。
宴の場と化した仕事場を後にする前にする前に言われた父・湛快の言葉を思い出す。

「神の子はどうあがいても神に選ばれし子だ。地上の男と結ばれても、な」
「は?」
「それでも、結ばれたことには変わりない。つまり俺がいいたいことはだな」
「さっさと言えよ」
「お嬢につわりがきてるの、気づいてるか?」
「はあ!?」
場をわきまえず、素っ頓狂な声を出してしまった。
「というのは嘘でだな」
「嘘!?」
「何でも今日は嘘をついていい日だとお嬢に聞いたんでな、早速ついてみた」
四月馬鹿というらしい。
からからと大きく笑う顔がなんとも爽やかで、ちっとも悪びれていない。
微かの酔いから醒め、頬がひくつく心地がした。
この親父はいつもこうである。
子供をたまに玩具のように扱う。

「兄上は人が悪いですね」
「子供可愛さについ、な」
「確かに、僕もこの甥っ子がかわいくて、ついやってしまいますね」
「わかってるじゃないか」
ふふふ。
かっかっかっ。
表面的には対称的な二人といえるが、血を分けた兄弟だからか、根の部分は同じである。
「二人で笑ってんなよ。てかオレで遊ぶな」
更に酒をあおり、少し自棄酒が入る。
そんな若き頭領の様子がまた可愛いのか、二人で小さく笑いあう。
「まあそんなに拗ねるな、倅よ」
「誰が拗ねてるか」
「十分拗ねているように見えますが?ヒノエ」
「それはあんたの幻覚だな」
とりつく島がない。
「そんなに心が狭いと、彼女に嫌われてしまいますよ?」
「あいにくオレの玉女は天女だからね、そんなことで嫌いやしない」
「あー、そのお嬢の話でな倅よ」
実に言いにくそうに湛快は言葉を紡ぐ。
「今度は何だよ。嘘はきかねぇからな」
「本当に心が狭いな。それでお嬢を失っても知らないぞ」
ジト目でみてくる我が子に、流石に苦笑した。

「今回の件で、天に帰りたがるかもしれない。それだけは覚えておけ」

少年は紅い目を大きく見開いた。



まだ続きますorz
でもようやく、後半に入ります!!
元荒法師とか、若頭領が勝手に行動をとってくれなければ、または私の(あ、こういう場面入れたい!)がなければ。の話ですが。
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