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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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ヒノ誕の小説を更新していく度、その回の文章の長さが長くなっていっています。

どうしたものか。

けずればいいじゃん!
という話なのですが、せっかくかいたのだから、と削除出来ない自分がいます;;



拍手[1回]


「いやな、もともとこの行事はお嬢の世界のもの。故郷の話をして、家族や友人のことを思い出さない人間はいないだろう」

杯を口に付けたまま、石の如く固まってしまった子に、更に湛快は我が子の後頭部を鈍器でなぐるような言葉を言う。
何もそこまで言わなくても……。と流石に弁慶は思うが、口では言わない。
事実のことであり、そういうこともありえるのだから。

湛快の言葉にいてもたってもいられなくなったのか、そうではないのか。
若き頭領はピクリと眉を動かし、部屋を颯爽と飛び出していった。
「気をつけて行ってこい」
という言葉が聞こえなかったわけではないが、彼は無視をして前へ進む。
道中、給仕係の女房と何度かすれ違い、驚いた顔で見られたり何事かと話かけてきたりしたが、それすらも無視する。
今、力でもって無理やり止めようならそれを倒してでも前へ進もうとするだろう。それくらい今のこの男には危うさがあった。
それに先程までなかった気が今、邸の中にある。しかもその気は神のもので、神職である彼が気付くのは容易なこと。引退したとはいえ、昔神職だった湛快も気づいているはず。
突如として降臨した神は少年が最も大切にしている場所に存在している。
一直線に目的の場所へと急いだ。



「姫君、今大丈夫かい?入るよ」
「え、ヒノエくん!?」
一応断りを入れて部屋に入る。いきなりの登場に驚きを露わにする女性が一人。そして本日二度目となる石化へと彼はなかった。
今日のためのものかもしれない。
彼女は見たことがない着物を着ていた。
着物といっても乱世時代に着ていた、戦の時の衣装ではない、この世で着られている細長姿。
晴れの日に着ることが多い、その名の通り身幅が細長い着物。
それを身に纏った少女は表の着物の色は白、裏に着ている着物の色は淡紅。つまり薄花桜と呼ばれる重ねの着方。
桜を表現した少女は桜そのもののようで愛らしい。
彼女のまわりに世話係の女房は部屋から退出したのか、彼女がそこに立っているだけで部屋の華やかになる。
のだが、害虫が一匹。
これは勿論、赤毛の男の偏見にすぎない。
「ヒノエ、久しぶりだね」
見慣れた姿に聞き慣れた声。
出会った当初は誰がみても愛らしい子供。愛し子を追いかける姿は多くの者を穏やかな気持ちにさせた。
だが、一夜にして成長し、身長を抜かされてた時のことは忘れない。
「白龍……」
「あ、ヒノエくん!白龍が来てくれたの」
人の姿をとった龍のそばにいた少女がこちらに近寄ってくる。
心なしかその頬が赤らめていて、妙な胸騒ぎを彼は覚えた。
「何かいいことでもあったのかい?お前の頬が野苺のように赤くて食べたくなってしまうよ」
さり気なく抱き締め、離さない。
「白龍が私につげたい告げたいことがあるって、わざわざ教えにきてくれたの」
頬を紅潮させ、嬉しそうに笑う少女に胸がざわめく。
「へえ、わざわざ姫君に告げにくるなんてね。一体どんな報告かな?白龍」
ここにきてようやくヒノエは白龍へと視線を向けた。
「ヒノエも知りたい?」
「勿論。オレと姫君は神子と八葉という関係以上の、妹背の仲となった仲だからね」
「いも……?人の言葉はやはり難しい」
「なら白龍に教えてあげようか。オレと姫君のこれまでのきってもきれない深い仲………ぶっ…」
「わー!わー!ヒノエくん言わなくていい!!白龍も聞かなくていいから!知らなくていい話だからっ」
何を話す気なのかわかったのか、先程より更に顔を赤くした妹が背の君の口を掌でふさいだ。
妹となり、わかったことがあるようだ。
「そうなの?神子」
きょとんとする白き龍に勢い良く少女は頷いた。
「そうなの!ヒノエくんには、私から教えるからもう大丈夫だよ」
彼女の言葉に口を塞がれたままヒノエは目を瞬かせる。
「神子がそう言うなら私はもう戻るね。神子に知らせることが出来て良かった。嬉しいよ」
「本当にありがとう白龍」
朗らかに笑う神の顔は慈悲に満ちていて、龍神に選ばれし子もにこやかに笑っていた。
「神子、これからも幸せでいてね。私はいつも貴女の幸せを願っているよ」
「白龍も、これからも元気でね」

オレのことは無視かよ。
口を塞がれたままなのもあり、ヒノエが何も話さないまま白龍はその場から姿を消した。


次回最終回希望です^^;
予定より早くさって頂きました白龍。基本望美ちゃん大好きっこなので望美ちゃんしかみていません。
そしてヒノエは身長を気にしていると思うので、白龍の成長による身長追い越しもさりげなく根に持ってたりします。
だって、同い年で自分より背の高い譲の(ゲーム中仕方ないとはいえ)頭ふんずけて塀を登るくらいですから。
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