好きなものをつらつらと書き綴っています。
書人:蓮野 藍
三国恋戦記の孟徳に夢中。
ボカロ(心響)SSも始めました。
熊野家族連載は今回のでひと段落とさせていただきます。
ということで、カテゴリーの最後に(完)と書かせていただきます。
ひと段落と書きつつ、ふとした時に突発で書きそうになるかもしれません(笑)
今回の作品は番外編ではなく、ヒノエと望美ちゃんの子供が船に乗せてもらう話となります。
ということで、カテゴリーの最後に(完)と書かせていただきます。
ひと段落と書きつつ、ふとした時に突発で書きそうになるかもしれません(笑)
今回の作品は番外編ではなく、ヒノエと望美ちゃんの子供が船に乗せてもらう話となります。
荒れる海原。
それにより常に揺れる船。
船上に立つ子供はキラキラと無数の輝きを見せる海に瞳をめいいっぱい開いて見ている。海風に赤い髪を揺れる。
視界の中に入る全てのものが初めてで刺激となり、少年を興奮させた。
船のそばを飛ぶカモメの鳴き声すら聞こえてそうで聞こえていない。
前に数回、父が漕ぎ手で母と三人、家族水入らずで舟遊びしたことがある。
今回の船出はきっとこれより比較にならないものなのだろうと子は思っていた。だが実際はそれ以上。
大きいと思っていた父の背より遙かに大きく広く、深い青色をした海。熊野では大きい分類に入るこの船も、その上は勿論、熊野水軍の皆も父もちっぽけに感じられた。
「どうした?もしかして揺れが酷くて船酔いしてるのか、伜」
「違う!!」
熊野水軍をまとめる役目にある男が少年のそばに歩み寄ってきた。
男の紅い髪が太陽の光をあびて鮮やかにその場を引き立たせ、不敵な笑みを宿す野獣めいた紅色の瞳がどこかいつもと違った父の顔のように子供は感じる。
『船酔い』
文字通り、船の揺れに馴染めず気を崩したり、吐き気が出る症状。
熊野水軍という海賊を本職とし、たまに普通の漁師もこなす者にとって致命的な体質。
まさかその症状が出たのではないか?という父の発言に即答してしまった。
その即答っぷりが笑いのツボに入ったのだろう。伜と呼んだ男は喉を鳴らして笑い、大きな手で子の頭をガシガシと撫でまわす。
「それは良かった。海賊の頭の息子が船酔いの気があるって知られたら目にもあてられないからな」
「だから違います!」
グシャグシャになった赤毛を自分でなでつけ、声をあらげる。
その必死さが父の笑いのツボを押しているのを子は知らない。
「わかったわかった。だからそんなにムキになるな」
「ムキになってなどいませんっ!」
クツクツと笑うのが気に入らず、更に子はムキになる。
「それをムキになるっていうんだよ」
そして再び腕を子にさし向ける。
またグシャグシャにされると身構えるが、そのグシャグシャはこなかった。
代わりにきたのは優しい感触。
「お前はまだ海に出たばかりだ。少しずつ海に慣れればいい」
優しく頭を撫でられ、軽く目を見張った。
顔を上げた時にはすでに父は姿を向けている。そのまま仕事に戻ってしまうかもしれない。子の考えから父の後を追いかけるべく走り出す。
「待って下さい父上っ!!」
地上とは違い、海上を走る船の上では常にゆらゆらと揺れて安定しない。だがそれでも子供は親の背に向かって足を前へと進めた。
父がどんな仕事をしているか、みておかなくては。
とりあえずおわり~
ヒノエの子供は素直な子です(笑)
ところでなぜヒノエが笑ってたかというと、ずっと昔。ヒノエが湛快に連れられて船にのせられた時、同じことを言われ、同じことを言ったということがあったからです。
親父にやられたことをやってるよ、オレ。
そんな感じです。
それにより常に揺れる船。
船上に立つ子供はキラキラと無数の輝きを見せる海に瞳をめいいっぱい開いて見ている。海風に赤い髪を揺れる。
視界の中に入る全てのものが初めてで刺激となり、少年を興奮させた。
船のそばを飛ぶカモメの鳴き声すら聞こえてそうで聞こえていない。
前に数回、父が漕ぎ手で母と三人、家族水入らずで舟遊びしたことがある。
今回の船出はきっとこれより比較にならないものなのだろうと子は思っていた。だが実際はそれ以上。
大きいと思っていた父の背より遙かに大きく広く、深い青色をした海。熊野では大きい分類に入るこの船も、その上は勿論、熊野水軍の皆も父もちっぽけに感じられた。
「どうした?もしかして揺れが酷くて船酔いしてるのか、伜」
「違う!!」
熊野水軍をまとめる役目にある男が少年のそばに歩み寄ってきた。
男の紅い髪が太陽の光をあびて鮮やかにその場を引き立たせ、不敵な笑みを宿す野獣めいた紅色の瞳がどこかいつもと違った父の顔のように子供は感じる。
『船酔い』
文字通り、船の揺れに馴染めず気を崩したり、吐き気が出る症状。
熊野水軍という海賊を本職とし、たまに普通の漁師もこなす者にとって致命的な体質。
まさかその症状が出たのではないか?という父の発言に即答してしまった。
その即答っぷりが笑いのツボに入ったのだろう。伜と呼んだ男は喉を鳴らして笑い、大きな手で子の頭をガシガシと撫でまわす。
「それは良かった。海賊の頭の息子が船酔いの気があるって知られたら目にもあてられないからな」
「だから違います!」
グシャグシャになった赤毛を自分でなでつけ、声をあらげる。
その必死さが父の笑いのツボを押しているのを子は知らない。
「わかったわかった。だからそんなにムキになるな」
「ムキになってなどいませんっ!」
クツクツと笑うのが気に入らず、更に子はムキになる。
「それをムキになるっていうんだよ」
そして再び腕を子にさし向ける。
またグシャグシャにされると身構えるが、そのグシャグシャはこなかった。
代わりにきたのは優しい感触。
「お前はまだ海に出たばかりだ。少しずつ海に慣れればいい」
優しく頭を撫でられ、軽く目を見張った。
顔を上げた時にはすでに父は姿を向けている。そのまま仕事に戻ってしまうかもしれない。子の考えから父の後を追いかけるべく走り出す。
「待って下さい父上っ!!」
地上とは違い、海上を走る船の上では常にゆらゆらと揺れて安定しない。だがそれでも子供は親の背に向かって足を前へと進めた。
父がどんな仕事をしているか、みておかなくては。
とりあえずおわり~
ヒノエの子供は素直な子です(笑)
ところでなぜヒノエが笑ってたかというと、ずっと昔。ヒノエが湛快に連れられて船にのせられた時、同じことを言われ、同じことを言ったということがあったからです。
親父にやられたことをやってるよ、オレ。
そんな感じです。
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