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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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孟徳+花孔明な話です。


拍手ありがとうございます!!






拍手[7回]





献帝のお召しにより三つの国をそれぞれ治める君主達が集まった。
劉玄徳が治める蜀からは軍師として名高い孔明も随従し、わんさかあった堅苦しい行事やら七面倒くさい会議やら面会が終わり、ほっと肩の力が抜けた夜。

宛がわれた部屋で孔明は一人、夜になる虫の音色や風にゆれる木の歌を耳の片隅に聞きながら心が赴くがままに古琴を演じていた。
久々に訪れた心穏やかな気持ちだったのに、それは訪れた人物によってぶち壊された。


「孔明、遊ぼう」

窓から顔を覗かせ、まるで子供が友人を遊びに誘うような発言に孔明は一瞬手を止めたのは数瞬。
月明かりに照らされて細部まではわからないものの、昼間に見た紫の衣を纏い、髪を結いあげて冠をかぶった姿ではない、見慣れた服装。
昼間の時は流石は丞相というべきか、威厳ある表情でたっぷりとした袖を優雅にさばく様はとても絵になっていて孔明は心のうちで感嘆のため息をついていた。

なのに、今のこの軽い様。
しかも、時は夜。遊ぶ時間ではない。


あの時の感動を返せ、と言いたくなった。


だが三国で一番の力を持つ曹孟徳にそんなことを言えるはずがなく、
努めて冷静な表情で紅き覇王に礼をとった。

「これは丞相。このような夜の訪れは何かと危険でございますよ」
「他人行儀はいい。それにここは陛下のお膝下だし俺はこれでも戦で刀振り回してたんだから大丈夫だよ」
そういって見せてくれたのは大振りの刀で、金や宝石を山ほどつけた飾り用の刀ではなく、実用的なものだと見て取れた。だからといって、完全なる安全は世の中に存在しない。
「自信過剰のようですね、丞相は」
「俺の影もいるしね。そんなことより俺のことを心配してくれるんだ?孔明」
「気のせいでございましょう」
嬉しいなと笑って言う相手に笑顔でバッサリと切り捨てた。
この紅き王の頭は花が咲いているのではないか、と孔明は時々本気で思う。
だがそうでない証拠が目の前にある。
献帝を擁し、丞相という地位につき、それに溺れることなく国を治める力。
冷徹非道という言葉を目の前にいる人物はよく言われているが、孔明にしてみれば彼の行いは多少行き過ぎのところがあれど無駄がなく、降伏してくる者は受け入れ命の保証。戦を選んだものには後に芽生えるかもしれない根までもつぶしておくのはあとの面倒がなく、実に現実的にみえる。

陛下に次ぐ地位を持ちながら、それだけの力がある。
並みたいていの人では出来ることではない。

だからこそ、油断出来ない。

孔明はいつもと変わらない表情しながら身を引き締めた。

「私が心配するのはただ唯一の主、玄徳様だけですから」
「つめたいな、鞍替えする気ないの?」
甘い顔で此方を探るように笑っているようで笑っていない視線が見つめてくる。
手元にあった羽扇を取って口元で隠しながら仰ぎ、ホホホと軽やかに孔明は笑った。
「わが君は今までただ一人だったように、これからの忠誠も玄徳様に捧げるだけでございます」
「玄徳がこの世を去っても?」
「はい。この命ある限り、玄徳様と玄徳様が治める国だけ」
そして優雅に微笑んだ。
「なので諦めて下さいね、孟徳様」


「えー、やだ」
返ってきた答えに孔明は自分の耳を疑った。
「はい?」

「そんなに頑固だと、余計欲しくなるっていう原理わかってないだろ」
「かといってこちらも『はい、そうですか』とそちらにいけるわけないでしょう」
「じゃあさ、期間限定でこっちにおいでよ」
「仮に、その話が成立したとします。その間の私の仕事は誰がするのです?」
曹孟徳が治める国ほどではないにしろ、玄徳が治める国の仕事は多い。孟徳の国ほど人材がいないのが要因の一つだろう。
少しサボればすぐ山になり、その山が崩れ、最悪その竹簡で怪我をするという不名誉な状態になる可能性がある。
「代わりにこっちから、君の代わりになるのを送るよ」
「私がやってるのは重要なものばかりです。よその人に見せられるわけがないでしょう」
他国の人ならば尚更見せられない。
「じゃあさ」
「今度はなんです」
半ばイライラしてきたのを隠しもせず問う。

「俺の妻にならない?」

「はい??」


孔明は思いっきり首をかしげた。









終わり

中途半端御免なさい><
続き書きます!!
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