好きなものをつらつらと書き綴っています。
書人:蓮野 藍
三国恋戦記の孟徳に夢中。
ボカロ(心響)SSも始めました。
居候先の住人から頼まれた買い物を終え、家に帰ろうと店を出た時。
音を立てて雨粒が地面に落ちていくのを見てとり、困ったように眉尻を下げた。
「降ってきたか~、どうしよう」
ビニールの買い物袋を片手に二つ。
一応雨が降るという予報は聞いていたけれど、パパッと買ってササッと帰れば大丈夫だろうと思い折りたためる傘を持ってこなかったのは失敗だった。
心の中で男、景時は反省した。
だが後悔しても先には進めないので、これからどうしようかと考えた時だった。
「景時さん?」
「え?」
遠慮がちな、だけど優しい声に後を振り向いてみれば彼女がそこにいた。
自分の予想が間違ってなかったと確認でき、安心したように微笑んで此方にやって挨拶してきた。
彼女の手にしているのは、景時と同じ印が入ったビニールの買い物袋。
「こんにちは、君も買い物かい?」
「はい、そろそろ冷蔵庫の中が底突きそうで」
「じゃあ俺と一緒だ。それはそうと君は傘持ってるかい?」
空いている手で雨を指さしてみると、女性は困ったように笑った。
「いえ、実は雨が降るとは思ってなくて」
「実は俺も傘を持ってないんだ。一緒だね」
「はい、一緒ですね」
お互い小さく笑いあい、彼女が「あ、」と声を上げた。
「どうしたの?」
「この近くに安くて美味しい喫茶店があるんですけど、景時さんの時間が大丈夫だったら一緒に行きませんか?」
「俺と?」
「はい。しばらくは雨が弱まりそうにないですし」
ダメですか?と小首をかしげて問うてくる姿は愛らしく、妙齢の女性には見えない。
「俺とでいいなら、一緒したいな」
「景時さんと、がいいんです。一人は寂しいじゃないですか」
「そうだね、俺も一人は寂しいから嫌だな」
少しおどけるように笑う女性につられるように笑い、スーパーの屋根の下で二人は微笑んで頷きあった。
「決定ですね」
「うん。じゃあ案内してくれる?」
「はい、こっちです」
そういって、激しく降り続ける雨のただ中に先に走り出した少女。
慌てて景時も走り出す。
「あ、荷物持つよ!?」
「そんなに重くないので大丈夫です!」
「いや、十分重そうに見えるけど!」
「気のせいです!」
土砂降りの雨の中、二人は半ば叫びながら会話をして喫茶店へと急いだ。
おわり?
実は将臣との話も頭の中でできているのですが、メインのはずのヒノエは良い顔しないのは簡単に想像できますよね(笑)
いつも余裕な彼にたまに嫉妬させたくなる気分です。
続きかきまする><
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