好きなものをつらつらと書き綴っています。
書人:蓮野 藍
三国恋戦記の孟徳に夢中。
ボカロ(心響)SSも始めました。
ようやく終わった……!!
花孔明にハマってるのか、今回も花孔明です。
ですが今回は孟徳軍ではなく、玄徳軍だったりします。
博望の戦後の宴の話とまります。
それでもいいぜ!というお優しい方。
↓へどうぞ。
花孔明にハマってるのか、今回も花孔明です。
ですが今回は孟徳軍ではなく、玄徳軍だったりします。
博望の戦後の宴の話とまります。
それでもいいぜ!というお優しい方。
↓へどうぞ。
あの孟徳軍に勝てた。
それだけで人々は喜びに満ちていた。
博望の戦いで勝利を収めた玄徳軍は祝勝会の宴を開くべく、人々が多く行き来していた。
そんな中、人に気づかれぬよう、猫が移動するが如くしなやかな動きをする人が一人。
人気がない場所へ影が動くようにのっそりと、それでいて静かに歩いていたのだが、気付いた人はいたようだった。
「孔明、どこに行くの!」
気付かれた。
舌打ちを心の中で盛大にうち、表上は穏やかな表情で声をかけてきた人物を出迎えた。
いつもの装いとは違い、綺麗に着飾った女性。玄徳軍で紅一点だった芙蓉姫。
化粧も施し、夜に咲く可憐な花そのもの。それなのに衣装とは不釣り合いな、荒々しい足の運びで宴の準備で慌ただしく行き来する人の合間を縫いながら此方にやってきた。
そのまま孔明の腕を掴む。逃がさないと言わんばかりに。
「これは芙蓉姫、どうなさいました?」
「どうしたもないわよ孔明、分かってるの?」
「分かってる、というのは宴のことでしょうか」
「だったら!どうして宴が開かれる場所から遠のいてるのかしら?孔明」
二コリと笑いながら問う芙蓉には、華やかさとは違った凄味がそこにある。
「私は策を献上したのみですから。宴に参加しなくても大丈夫でしょう」
芙蓉と同じようで違う、涼やかな笑みで孔明が応じると、彼女の柳の眉がヒクリと動いたのを少女は見た。
「何を言ってるの。貴方の策がなければ孟徳軍を、元譲をあんなに大敗させることは出来なかったわ」
「そう出来たのは玄徳様を始めとした皆様方の武が素晴らしかったからです」
やんわりと腕を掴む芙蓉の手をどけようとするものの、逆に強く掴まれるだけだった。
両眉を吊り上げて顔近づけてきた。
「もう、わからない孔明ね!女は宴の華なの、だから孔明も出なきゃダメだと私は言ってるの!!」
「女である前に玄徳様の軍師ですよ、私は」
そうでなくてはならない。
本物の孔明になりきる為、書物を亡くした花の、孔明としての生を宿した花のケジメ。
だが、これを知るのは唯一の同胞の雲長のみ。
他の人に知らせる気も教える気も孔明は更々ない。
「ということなので芙蓉姫、私は失礼を……?」
一礼して去るつもりだった。
さりげなさ装って芙蓉姫が握る手を外そうにもやはり出来ない。
「こうなったら実力行使よ」
「……」
芙蓉姫の声が低く聞こえた。
彼女を目を見ると、本気をみてとれた。
こうなったら誰にも止められない。主君たる玄徳にでも。
孔明は逃げられないと悟り、肩を落とした。
あちらこちらから視線を感じる。
それをあえて無視して孔明は雲長の隣で箸を進めていた。
「……そんなに食べたら腹壊すぞ」
「その時はその時です」
「……そうか」
とりつく島ない孔明の様子に雲長は軽く息を吐き、杯を傾けた。
芙蓉姫の強制的な連行で着飾った孔明はそれはそれは綺麗なものだった。
大人びた色合いの衣装に口紅をさし、危うげな花が咲き綻ぶ前の蕾そのもの。
人前では女性の装いではなく、男性の衣装を纏う孔明の違う印象に回りの男共は驚き、そして別の意味での視線を流しているのに孔明は気付いていないはずはない。
だからこれなのか。
今の孔明の行動は受ける視線を全て拒絶する為の行為なのだと雲長は悟った。
今夜は好きにさせよう。
雲長は決めた。
「孔明、酒は飲むか?」
「あまり得意ではありませんが、飲みます」
杯を手にした孔明に酒を注いでやる。
やや白く濁った酒を孔明は一気にあおった。
再度孔明の杯に酒をそそぐ。
「雲長殿もどうぞ」
「ではいただくとしよう」
アルコールがもう回ったのか、ほんのり赤い顔をした孔明が雲長に酒を進めるがまま杯に酒を満たしてもらった。
久々の同胞との酒会もいいものかもしれない。
終わり
終わりそうになかったので、無理やり終わらせました^^;
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