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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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書きたくて書きたくて、つい書いちゃいました。

季節じゃないけれど、孟徳×花でED後の話。
冬の季節。


タイトルは『花茶日より』

にします!!



拍手[3回]


丞相たる曹孟徳と想いを通わせてから初めての冬。
相も変わらず孟徳は大忙しで、想い人であり想われ人の花は文若の元で働いていた。

シンシンと音もなく降り続ける雪。
その景色を視界の端におさめながら花はパタパタと小走りで動きながら白い息を吐いた。
少女の腕の中にあるのは数本の書簡。
全て急を要する孟徳宛のものだった。


生死を彷徨う大怪我から回復した後、何をするにも孟徳の過保護すぎる防御にさえぎられて出来なかったが、
何もせずに過ごすのが嫌な少女は条件付きで再度文若の元で働くことになったのだ。

その条件とは。

曰く、
大変不本意だが、文若のもとで無理ない程度に仕事をすること。
大変不本意だが、もし少しでも体調に変化があるようなら(文若がなんと言おうとも)仕事をやめ、自室に戻り安静にすること。
大変不本意だが、少しでも危ないことや余計なことに首をつっこまないこと。
大変不本意だが、休憩の為に文若とお茶してもいい。あ、その時は俺を呼んでくれてもいいよ。

・・・・

以下省略である。


生死を彷徨う程の怪我をしていたから、過保護になるのは致し方ないところだが、彼のそれは過ぎる気が花はする。
だからといって心配かけたわけだから、と思わず苦笑したくなる程の多くの条件を飲み込み、こうしているのだ。

孟徳の執務室に着き、扉の前に佇む護衛の人に取り次いでもらう。

「孟徳さん、花です」
「花ちゃん?」
「文若さんから、急ぎの書簡だそうです」
「そう」

部屋に入り、孟徳に手にしていた書簡を手渡す。
といっても丞相の机の上には多くの書簡の山があり、とても今日中には終わらないのではないか、と不安になり心配にもなる。

「孟徳さん……」
「ん?」
数冊のうち一つを早速広げ、黒く塗られた文字を追いかける彼が視線を向けぬまま優しい声音で問い返してくれる。
「孟徳さん、頭痛とか体調とか、大丈夫ですか?」
鳶色の瞳がこちらに向けられる。その瞳に宿るのは愛しさや慈愛といった、優しい感情。
「俺は大丈夫だよ。花ちゃんは優しいね」
「そ、そんなことないですよ」
「そんなことあるよ、心配してくれるのは花ちゃんくらい。文若や元譲はとにかく仕事しろっ!!だから」
わざと眉尻を吊り上げ、わざと怒った表情で言う彼が面白く、クスッと少女から笑みが漏れた。
「それは、たまに孟徳さんがサボるからじゃ・・・・・・?」
「俺だって人間だよ?内容は違えどずっと同じ仕事していたら飽きるよ」
そういいつつも、どんなに悪態つきつつも最後にはどんな仕事でもちゃんと終わらせるから、彼は凄い人だと思う。
「そう言われてみると、そうかもしれませんね」
授業であった古文や現代国語といった文章の羅列をずっと読んで見ていると飽きてきて、先生の声が子守唄に感じることがあった。
それと同じことなのかもしれない。
「でしょ!?花ちゃん!」
パッと華やいだ笑みを浮かべ、嬉しそうに声を上げる孟徳。
「花ちゃんもこの気持ちを分かってくれるなんて、本当嬉しいな」
「じゃあ孟徳さん、その急ぎの書簡の処理が終わったら、気分転換に一緒にお茶しませんか?」
「それは良い提案だね。じゃあ俺頑張ってこれらを片づけるから待っててくれる?」
「はい、勿論です」
花は微笑んで頷いた。









終わり

初の三国恋戦記SSで満足だけれど、地味に書きたい場面を書けなかったのでリベンジします……!!


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