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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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前に更新した猫鳴きの別バージョンになります。

今度は遙か5 朱雀+(×?)ゆき(神子)になります。


朱雀が優しいけれど、心せまいです^^;



そして拍手頂きました!!
本当に、本当に有難うございます!




拍手[1回]


優しげな、慈愛満ちた瞳で彼は見つめていた。
腕を子猫のように不安げな存在に伸ばす。

「神子、大丈夫ですよ」 
「朱雀……」

2メートルぐらいの高さがあろう脚立に登り、木の幹にしがみついて降りられなくなった小さな猫に腕を差し伸べる。
男と少女との距離は約50センチ。手が届かない距離ではない。
この腕は彼女のためであり、他の何のためでもない。
愛しい神子のためならば、私は何でもしよう。

「こちらに腕をのばしてください神子、間違いなど一つもなく私は貴女を受け止めましょう」
「うん……」

恐る恐るといった様子でしがみついていた木の幹から手を離し、少女はゆっくりと腕をのばす。
その手を優しく手にとって自分の肩に乗せ、そのまま空いた手は彼女の背に添えられる。そして男の反対側の手は少女の膝裏に。
「いきますよ」
と一声かけ、彼女を抱き上げた。
小さな悲鳴をあげ、小猫は空いている腕を相手の首にまわされる。
俗に言うお姫様抱っこをした彼は彼女の愛らしい言動に微笑みかけた。

「もう大丈夫ですよ、神子。安心して下さい」
「ごめんなさい朱雀、迷惑をかけちゃった」
「貴女を助けることが出来た上にこうして触れ合えるのです。迷惑なんて少しも思っていませんよ」逆に私を役得にしてくれた神子にお礼を言いたいくらいです。と笑いかける男。

優しい言葉、安心する微笑み。
優しさを司る朱雀ゆえなのか、神としての力を失ってもなお彼は優しかった。朱色の男が持つ雰囲気が少女の気落ちした感情を癒やし、笑みを生み出す。

「ありがとう、朱雀」
「どういたしまして、神子」 

穏やかな一面。
みていて心あたたまる場面であるはずだった。

「前に沖田さんと、子供達とかくれんぼの遊びをして木の上に登ったんです。その時はちゃんと降りれたんですけど、今回は無理でした」
どうしてでしょうね?

と恥ずかしそうと笑いかける神子に、男は微笑んだままかたまった。

「え……?」

沖田といえば、異世界において地の朱雀を担った男である。
その男が愛らしい神子と一緒にかくれんぼをして、木の上に登った。

それを思い浮かべるだけで、嫉妬で胸が焼けるような思いがした。


朱雀。
四神の一柱だった男の気性は温厚で、誰に対しても優しさを持って接する。
だが神としての力を天に返上したからか、唯一心を許した少女が過去に自分以外の男と会って二人きりでいたと知るだけですごく嫉妬する、とても心が狭い人間となっていた。














おわり
最近更新するの直兄キャラばかり~♪
今日気付きました、このこと。
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