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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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どこかで子供が泣いている声がした。
あたり一面、さんさんと太陽の光を浴びて成長した草しかみえない。
そんななか、少年は探し当てた。

「また、ないてるのか」

しゃがみこみながら泣いている少女。
両手を目元にあて、ヒクヒクとしゃっくりをしながら相手を見上げる。

「だって、だって……」
「だってじゃない、なくな」
「でも……」
「でもじゃない」

ぐずる少女に少年は少しきつめに声を荒げる。

「かあさんがしんぱいしてる。かえるぞ」
「でも、でも……」
「いいかげんにしろよ」
「でも……」

なおも言い淀む少女に少年の目付きが変わった。
「とにかく、かえるぞ。風邪ひかせるのか?おまえは」
「ち、ちがうよ!」
「なら、手」

わざと寒いふりをして、慌てる少女に手を差し出した。

「はやくかえるぞ。はらへった」
おまえのせいだ。と言わんばかりに言うと、少女は慌てて少年の手をとった。
少女の手をしっかり握り、立ちあがるのを待ってから歩き出した。

おなじくらいの身長をもつ少女と少年。
二人の顔はそっくりといっていいくらい、似ていた。

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何も ない、普通の日だった。
けれど月がとても綺麗で見とれていた。
冷たくて風邪をひいても構わない。
そう思うくらい綺麗だった。
風邪をひくと、寒そうに告げる君がとても愛おしくて
ぎゅっと抱きついた。
君の香りが鼻をくすぐり、温かさに頬が緩んだ。

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今夜はハロウィン。
子供だけでなく大人も仮装して今夜を楽しんでいる。
そんな中、少女が一人。
仮装するわけでもなく、テレビをみるわけでもなく
ベランダに出て夜空を見上げていた。
冷たい風が少女を包んで去っていく。
指先を自分の吐息で温め、擦り合わせながら再度、上を見上げる。
夏とは違う夜空。
そこには夏には見えにくかった一粒一粒の光が手に取るようにわかる。
それが嬉しくて最近少女は気が向いたら夜空を見て楽しんでいた。
ハロウィンというイベントがあってもそれは変わらない。
人々の賑わう声をよそに一人で夜空を見上げる。
防寒具をきて夜空を見上げる少女の鼻はほんの少し赤い。
けれどそんなことはお構いなしで空を見つめる少女はどこか静かな目をしていた。

ただただ夜空をみつめるだけ。
ただ、それだけでいい。


何も言わない夜空を少女は今宵も見上げている。



終わり

夜空好きな少女の一夜の過ごし方。

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