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好きなものをつらつらと書き綴っています。 書人:蓮野 藍         三国恋戦記の孟徳に夢中。  ボカロ(心響)SSも始めました。
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夜空見たさに苦戦していた。
自分がいるのは二階建ての建物の二階にある部屋。
窓を開けたすぐそこに隣の建物がある為、空が見えないに等しい。

少しだけ身を乗り出し、上を見ようとするも夜空がほんの一部しか見えない。
月も見えない。
どう頑張ってもみえない。
少し冷えた風が気持ちよく、こんな時に歌ったら気持ちよさそう。
建物の中には誰もいないのだから、下手な歌を歌っても大丈夫。
聞く人が誰もいないのだから。
その為に夜空を、月を。
と思ったのだが、そう上手くいかないものである。


それからまた悪戦苦闘するものの、結局どうあがいても見れないという結論に達し、
建物を後にすることにした。

建物を出てから数分。
目の前に広がる夜空が目に入ってきた。
そしてやや顔を上向きにすると、一面の夜空。
ふわぁぁぁ
口と目を開いて凝視した。
視界いっぱいに広がる夜空。
空気が澄んでいるからか、雲一つないからか、
街頭があるのに星まで見える。
綺麗、この一言だった。
いつも、こけないようにと下を向いて、コンクリートを見ながら歩いていた。
けれど、顔を上げるだけでこんなにも世界が違うとは。
しかも、建物を出てから夜空を見れるとは。

清らかな冷たい風を頬に感じながら、自分の考えの甘さに心の中で苦笑いをした。


終わり


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みーみー泣く声が微かに聞こえてきた。
猫の鳴き声ではない。
幼い子供の泣き声。
鳴き声の主は大きな木の幹の影にいた。
しゃがみこみ、時折しゃくりあげながら泣く子。
顔に傷をつくり、どこかで転んだのだろう。膝には擦り傷がある。

夕暮れ時の優しい風は、身体を冷やすのだろう。
時折身を震わせる。
これでは風邪をひいてしまう。

だが、子の腕の中には一匹の猫がいた。
野良猫だろう首輪のない猫は微動だせずに、少女の腕の中におさまっている。
時々、涙を猫が舐めとり、尻尾がふわふわ動く。
少女を慰めているようにみえた。



終わり

猫は黒猫です。三毛猫ではありません。
なぜか、黒猫設定がいいんです。

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それは珍しい水だと聞いた。
水だから無色透明。
注がれた器の底がそのまま見えた。
香りは少し独特で鼻につくものだった。
だが眉間に皺を寄せる嫌な香りではなく、
山奥に吹く清らかな風を連想させる香りだった。
きっとどこかの山奥に水を取りに行ったものなのだろう。
そう私は信じた。
一般家庭にて使われる水道水ではない、純正な水。

そう思ってそれを口に含み、喉を潤わせた。
途端、目が見開く。

カッと熱くなる喉奥。
お酒だとその時になって気付いた。

アルコールには弱いと知っていて飲ませた相手を睨みつけると、
当人はニヤニヤと楽しげに笑っていた。
幻の水が入った瓶を片手に持って。


終わり

文字書きの練習です。

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